ヒンディー語には魅力がたくさん。生徒さんは様々な理由でヒンディー語を勉強しています。
深いコミュニケーションには現地語が必須
「インド人は英語が話せるから現地語は必要ない」という話を聞くことがありますが、この認識は誤解を含んでいます。たしかに、観光業や日系企業で働くインド人は流暢に英語を話します。しかし、彼らにとっても英語は第二言語であり母語ではないため、コミュニケーションの幅や深さはヒンディー語で会話した場合と比べて大きく劣ります。コミュニケーションは英語で伝わる範囲で妥協し、他のことに時間を使うというのも一つの選択肢ではあります。しかし、より多くのインド人と、より深くコミュニケーションを取りたいと考えるなら、それはヒンディー語を学ぶ理由になります。
インド旅行でインド人と話す
ヒンディー語を話せるとインド旅行の楽しみが広がります。現地の人とのコミュニケーションが、有名な遺跡よりも深く旅の記憶として残るということはよくあることだと思います。観光地でヒンディー語を話してみると、インド人は心からの笑顔を見せて色々なことを話してくれます。それまで寡黙な人だと思っていたインド人が、「ヒンディー語が分かるの?」と目を輝かせてヒンディー語で話し始めるときは、学習の努力が報われる瞬間です。
ビジネスの場におけるコミュニケーション
ビジネスの場において、日本人に対しては英語を使ったとしても、インド人同士のコミュニケーションでは現地語が使われます。現地語を学びヒンディー語でのコミュニケーションに入ろうとする態度は、信頼関係の構築において大きな助けとなります。どの国、文化でも同じだと思いますが、信頼関係は業務を円滑に遂行するためには欠かせないものです。また、ローカルスタッフ同士が何を話しているか把握することは、内部統制上も大きな意味を持ちます。
また、英語を全く話さないインド人が数多くいることも忘れてはなりません。インドでボランティアやNGO活動に関わるのであれば、ヒンディー語は必須です。
ボリウッドを字幕なしで楽しむ
インドは映画制作数世界トップレベルの映画大国です。毎年、数多くの素晴らしい映画作品が世に出されていますが、その中で日本語字幕が付くのは一部の映画だけです。ヒンディー語を勉強すれば、ボリウッド映画を字幕なしでいち早く楽しむことができます。美しいセリフ、歌詞を翻訳を介さずにそのまま理解できるというのはこの上ない喜びです。
ヒンディー語は表記と発音がかなりの割合で一致しており、リンキングなどの発音上の現象もほとんど起きないため、英語とは異なり聴き取りが容易です。1年ほど真剣に勉強すれば、日常会話の多い恋愛ものの映画であれば内容を理解できるようになります。
言語学的な面白さ
ヒンディー語は言語学的にはインド・ヨーロッパ語族に属し、英語やフランス語などのヨーロッパ言語の親戚にあたります。学習が進むにつれ、英語をはじめとするヨーロッパ言語との類似性や異なる点を実感できるはずです。
例えば、ヒンディー語に見られる文法性はインド・ヨーロッパ語族の特徴の一つですし、親族名称や体の部位、数字などの非常に基本的な単語もよく似ています。父はपिता (pitaa)、母はमाता (maataa)、鼻はनाक (naak)、手はहाथ (haath)です。言語学的な観点からヒンディー語を学んでみるのも非常に面白いと思います。英語や、母国語である日本語を相対的に理解するきっかけにもなります。
英語 | ドイツ語 | スペイン語 | ヒンディー語 |
father | vater | padre | pitaa |
mather | mutter | madre | maataa |
nose | nase | nariz | naak |
hand | hand | mano | haath |
tooth | zahn | diente | daant |
one | ein | uno | ek |
圧倒的な話者数
ヒンディー語は北インドを中心に話されている言語です。インド政府の調査によると、インドの全人口の4割以上がヒンディー語を第一言語とし、第一言語でない人も含めると6割弱がヒンディー語話者です。ヒンディー語話者数は7億人近くにのぼり、英語、中国語に次いで世界第3位に位置しています。これだけ多くの人とコミュニケーションを可能にする力を持った言語です。
ヒンディー語は日本人にとって学びやすい言語
ヒンディー語は日本人にとって学びやすい言語です。英語が苦手だった方でも問題ありません。ヒンディー語の学習を通して、「外国語が聴き取れる・話せる」感覚を味わってみませんか。もちろん英語が得意な方であれば、英語よりも速いペースでヒンディー語の上達が実感できるでしょう。
発音
ヒンディー語は日本人にとって発音しやすい言語です。英語の強弱アクセントや中国語の声調のように日本人が難しいと感じる発音の要素がほとんどありません。日本語にはない要素として有気音やそり舌などの音がありますが、息や舌の使い方を確認すればすぐに発音することができます。基本的に平坦な調子で話す点も日本語に似ているため、ただ読み上げるだけでも十分ネイティブに通じます。
語順
ヒンディー語と日本語は基本的な語順が同じです。いくつか例を挙げてみます。
मैं जापानी हूँ
(メーン) (ジャーパーニー) (フーン)
私は 日本人 です
मैं हिन्दी बोलता हूँ
(メーン) (ヒンディー) (ボールター フーン)
私は ヒンディー語を 話します
このように語順が同じであるため、日本語の発想で単語を置き換えて話すことが可能です。また、語順の自由度が高いところも似ています。例えば、「急いで駅へ行く」「駅へ急いで行く」「急いで行く、駅へ」のようにヒンディー語でも順番を入れ替えて話すことができます。
日本語になったヒンディー語の単語
ヒンディー語由来の言葉は意外と身近に存在しています。仏教とともに日本に入ってきた言葉や、英語を介してカタカナ語として伝わった言葉があります。反対に、日本語由来のヒンディー語としてरिक्शा (riksha/力車)などもあります。このように、なじみのある単語はすぐに覚えて使うことができるでしょう。ヒンディー語由来の言葉を学ぶことで、インドと日本の関わりやインドが与えた影響をうかがい知ることもできます。
日本語 | 元となったヒンディー語 |
だるま | धर्म (dharm) |
卒塔婆 | स्तूप (stoop) |
奈落 | नरक (narak) |
カーキ | खाकी (khaki) |
ジャングル | जंगल (jangal) |
シャンプー | चाँपो (champo) |
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