ヒンディー語の副詞

副詞は動詞、形容詞を修飾する役割を持ちます。ヒンディー語の副詞、副詞句は大きく分けて6種類あります。その多くは、名詞や形容詞、動詞から派生したものであるため、簡単に覚えることができます。

形容詞から作られる副詞

ヒンディー語では[ɑː]で終わる形容詞の語尾を[eː]に変えることで副詞を作ることができます。つまり副詞の形は形容詞の男性・後置格と一致します。これは元々、में などの後置詞が付いて副詞句を作っていたのが、में が取れて後置格のみが残ったことによるものです。

形容詞副詞
नीचा [niːchɑː]低いनीचे [niːcheː]下に
सीधा [siːdhɑː]真っ直ぐなसीधे [siːdheː]真っ直ぐに
सवेरा [səveːrɑː]सवेरे [səveːreː]朝に
अकेला [əkeːlɑː]一人の、単独のअकेले [əkeːleː]一人で
(धीरा )(現在は使用されていない語)धीरे [siːdheː]ゆっくり

後置詞を付加して作られる副詞句

形容詞に後置詞を付加して副詞句を作ります。前述の形容詞から作られる副詞は後置詞が消え形容詞の後置格のみが残っていましたが、このパターンでは後置詞が残っています。

形容詞副詞
अच्छा [əchhɑː]良いअच्छे से [əchhɑː seː]きちんと

名詞に後置詞を付加することでも副詞句が作られます。

名詞副詞
ज़ोर [zoːr]ज़ोर से [zoːr seː]きつく、激しく
ध्यान [dhyɑːn]注意ध्यान से [dhyɑːn seː]注意して

その他に後置詞を使った慣用的な副詞句の表現は後置詞の項目をご確認ください。

動詞の副詞的表現

【動詞の語幹+कर 】で動詞を副詞のように使うことができます。日本語の「~してから」「~しながら」に似た便利な表現です。語幹を取る動詞がकरना の場合はकरके となります。करकर にはなりません。この副詞句はどんな動詞からも作ることができますが、慣用化したものも多くあります。

動詞副詞
देखना [deːkhnɑː]見るदेखकर [deːkhkər]見てから
निकालना [nikalnɑː]出るनिकलकर [nikalkər]出てから
लेना [leːnɑː]取るसे लेकर [seː leːkər]~から始めて(慣用表現)
बूझना [buːjhnɑː]理解するजान बूझकर [jɑːn buːjhkər]故意に(慣用表現)

(例)वह चाय पीकर यहाँ आया 彼はチャイを飲んでここに来た。

サンスクリット語、アラビア語由来の接尾辞を付加して作られる副詞

サンスクリット語、アラビア語には、英語のlyのように副詞を作る働きのある接尾辞があり、ヒンディー語の語彙にも入ってきています。

サンスクリット語の接尾辞ーतः [ーteh](例)अंततः [əntəteh](अंत + तः)ついに
アラビア語の接尾辞ーअन [ーan](例)इत्तिफ़ाक़न [ittifɑːqən](इत्तिफ़ाक़ + अन)偶然に

その他の副詞

上記に当てはまらないものです。覚えるしかありません。

(例)अक्सर [əksər] しばしば、जल्दी [jəldiː] 早く

時を表す副詞(句)

आज [ɑːj]今日
कल [kəl]昨日、明日
अब [əb]
तब [təb]その時
आज सुबह [ɑːj subəh]今朝
कल सुबह [kəl subəh]昨日の朝、明日の朝
शाम को [shɑːm koː]夕方に
रात में [rɑːt mẽ]夜に
इस हफ्ते [is həfteː]今週
पिछले हफ्ते [pichleː həfteː]先週
अगले हफ्ते [əgleː həfteː]来週
इस महीने [is məhineː]今月
पिछले महीने [pichleː məhineː]先月
अगले महीने [əgleː məhineː]来月
इस साल [is sɑːl]今年
पिछले साल [pichleː sɑːl]昨年
अगले साल [əgleː sɑːl]来年
हर रोज़ [hər roːz]毎日
हर हफ्ते [hər həfteː]毎週
हर महीने [hər məhineː]毎月
हर साल [hər sɑːl]毎年

頻度を表す副詞(句)

हमेशा [həmeːshɑː]いつも
अक्सर [əksər]よく、しばしば
कभी कभी [kəbhiː kəbhiː]ときどき
आम तौर पर [ɑːm tɔːr pər]普段