人称代名詞・指示代名詞

तुम、आप は相手が一人の場合にも使いますが、文法上は複数扱いとなります。動詞の活用は単数・複数で異なりますので、文法上の扱いも覚えておく必要があります。

「you」にあたる人称がヒンディー語では3種類あります。तू は相手を蔑んだり、反対に親愛の情を示す際に使われます。外国人がヒンディー語で話す際に使う機会はあまりありませんが、映画などで恋人や子供に話しかける際にも使われていることがあるので知識として知っておくとよいでしょう。तुमは親しい相手に対して使用します。आपは丁寧な表現です。基本的にはआपを使っておけば問題ありません。ただし、関係性によっては、頑なにआपで呼びかけるとよそよそしく聞こえることもあるようです。

単数複数
一人称मैं マェーンहम  ハム私たち
二人称तू トゥーお前
तुम トゥム
आप アープあなた
三人称यह イェこの人、これये イェこの人たち、これら
वह ヴォ彼、彼女、あれवे ヴェ彼ら、あれら

人称代名詞・指示代名詞の活用

ヒンディー語の人称代名詞は、文章中の位置によって形が変わります。英語のI, my, me, mineのようなものです。

主格:主語になる場合 (例)मैं जापानी हूँ (私は日本人です)
属格:名詞の前で「~の(所有)」を表す場合 (例)मेरा भाई (私の兄)
後置格:後置詞の前に置かれる場合 (例)मुझको दीजिए (私にください)
能格:後置詞ने(完了表現の意味上の主語に使われる)の前に置かれる場合 मैंने खाना खाया (私は食べ物を食べました)

主格属格後置格能格
単数一人称मैं マェーンमेरा メーラーमुझ ムジュमैं マェーン
二人称तू トゥーतेरा テーラーतुझ トゥジュतू トゥー
三人称यह イェइसका イスカーइस イスइस イス
वह ヴォउसका ウスカーउस ウスउस ウス
複数一人称हम  ハムहमारा ハマーラーहम ハムहम ハム
二人称तुम トゥムतुम्हारा トゥマhーラーतुम トゥムतुम トゥム
आप アープआपका アープカーआप アープआप アープ
三人称ये イェइनका イヌカーइन イヌइन्हों イヌホーン
वे ヴェउनका ウヌカーउन ウヌउन्हों ウヌホーン

तुम्हाराのhの音は弱く発音されるため、「トゥマ(h)ーラー」のように聞こえます。「トゥムハーラー」のように「ハ」とはっきりと発音しません。
इन、उनのnははっきりと舌を歯につけて発音してください。日本語の「ン」は鼻母音に近いので、「ン」ではなく「ヌ」だと考えたほうが近い音になります。

関連文法事項:時制 (能格+ने の用法)

不定代名詞कोई [koːiː]の活用

不定代名詞कोई [koːiː]は「誰か」という意味です。

主格属格後置格
だれかだれかのだれかを・に
単数कोई コーイーकिसी का キシー カーकिसी को キシー コー
複数किन्हीं का キヌヒーン カーकिन्हीं को キヌヒーン コー

疑問代名詞क्या [kyɑː]、कौन [kɔːn]の活用

疑問代名詞क्या [kyɑː]は「何」、कौन [kɔːn]は「誰」という意味です。

主格属格後置格能格
何が
誰が
誰の何(誰)を・に何(誰)が(過去)
単数क्या キャー
कौन コーン
किसका キスカーकिस キスकिस キス
複数किनका キヌカーकिन キヌकिन्हों キヌホーン

関連文法事項:疑問文

関係代名詞

主格属格後置格能格
単数जो ジョーजिसका ジスカーजिस ジスजिस ジス
複数जिनका ジヌカーजिन ジヌजिन्हों ジヌホーン

関連文法事項:関係詞

<代名詞+後置格को>の融合形

代名詞+後置格को の組み合わせには融合形が存在します。実際には融合形が使用されることのほうが多いです。

代名詞+後置格को融合形
人称代名詞単数一人称मुझको ムジュコーमुझे ムジェー
二人称तुझको トゥジュコーतुझे トゥジェー
三人称इसको イスコーइसे イセー
उसको ウスコーउसे ウセー
複数一人称हमको ハムコーहमें ハメーン
二人称तुमको トゥムコーतुम्हें トゥメhーン
आपको アープコー-
三人称इनको イヌコーइन्हें イヌヘーン
उनको ウヌコーइन्हें ウヌヘーン
疑問代名詞単数किसको キスコーकिसे キセー
複数किनको キヌコーकिन्हें  キヌヘーン
関係代名詞単数जिसको ジスコーजिसे ジセー
複数जिनको ジヌコーजिन्हें ジヌヘーン

人称代名詞・指示代名詞の強調形

直前の語を強調する役割がある助詞ही [hiː]が特定の代名詞に着いた場合、単語同士が融合し、強調形を取ります。強調形がない組み合わせは空欄としています。

主格・強調形後置格・強調形
人称代名詞単数一人称-मुझी ムジーमुझ+ही
二人称お前-तुझी トゥジーतुझ+ही
三人称この人、これयही ヤヒーयह+हीइसी イシーइस+ही
彼、彼女、あれउसी ウスコーउस+हीउसी ウセーउस+ही
複数一人称हमी ハミーहम+हीहमी ハミーहम+ही
二人称तुम्ही トゥムヒーतुझ+हीतुम्ही トゥムヒーतुझ+ही
あなた--
三人称この人たち、これら-इन्ही イヌヒーइन+ही
彼ら、あれら-उन्ही ウヌヒーउन+ही
疑問代名詞単数何、誰-किसी キシーकिस+ही
複数-किन्ही キヌヒーकिन+ही
関係代名詞単数-जिसी ジシーजिस+ही
複数-जिन्ही ジヌヒーकिन+ही
 

疑問代名詞・単数の後置格・強調形किसीは、不定代名詞कोईの属格、後置格とたまたま同じ形になりますので注意してください。

再帰代名詞属格अपना[əpnɑː]・再帰代名詞後置格अपने[əpneː]

文中で主語と一致した代名詞の属格、後置格が出現した場合、同じ代名詞を使わずに再帰代名詞अपनाに置き換えます。後置格अपनेの代わりに、अपने आप や खुद が使われることも多いです。属格は形容詞と同様にअपना、अपनी、अपनेと活用します。

(例)मैं मेरा अपनी चाय पीता हूँ (私は自分のチャイを飲みます)
   आपको आपका अपना काम पसंद है (あなたは自分(あなた)の仕事が好きです)
   मैं मुझ अपने पर भरोसा नहीं करता हूँ (私は自分自身を信じていません)